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■ピル
ピルは、胎盤から大量に分泌される黄体ホルモンと卵胞ホルモンが排卵を抑える妊娠期の仕組みを利用したもので、この両者のホルモンの複合剤です。
現在「ピル」として用いられているものは、月経異常などの治療が本来の目的のものですから、ホルモン量は少し多めになっています。
最近では「低用量ピル」といわれる、避妊だけを目的としたホルモン量の少ないピルもあります。毎日規則正しく決まった時間に服用すればほぼ100%の避妊効果が得られます。
ただどんな薬でも長期の服用には副作用がつきものです。半年ごとに体重・血圧・尿検査を、1年ごとに肝機能検査や子宮がん・乳がん検診を受けるようにしましょう。ピルは市販されていないので産婦人科医とよく相談してから服用しましょう。
■ピルの向かない人
※17歳以下の女性。ただし妊娠の可能性の高い人は服用してもよい。
※糖尿病・バセドー氏病などの人。
※血栓症にかかったことのある人。
※心臓・肝臓・腎臓などに病気のある人。
※子宮ガン・卵巣ガン・乳ガンの疑いのある人。
※35歳以上のヘビースモーカー。
※授乳中の方。
■IUD
IUD とは、避妊の目的で子宮の中に入れるプラスティック製の小さな器具のことで、「子宮内避妊器具」という意味の英語の略称です。避妊効果は、ピルと並んできわめて優れています。
■ペッサリー
ペッサリーは、周囲にスプリングの付いた半球状のゴムの避妊器具です。わかりやすく言うと女性のコンドームのようなものです。
性交の前に膣内に挿入し、子宮口にふたをして精液の進入を防ぎます。
形が大きいことや、器具を洗って繰り返し使用していく点がなじみにくいためか、最近ではあまり利用されていませんが、その避妊効果は高く、副作用もほとんどありませんので、もっと利用されてもいい方法といえます。
■コンドーム
丈夫な薄いゴムの袋を男性性器にかぶせて、精液が外に漏れるのを防ぐ方法です。
・陰茎が十分勃起した状態で装着すること。
・必ず陰茎を膣に挿入する前に装着すること。
・射精後は速やかに陰茎を抜きコンドームを始末すること。
以上、3点に十分留意して使用することが肝心です。
■避妊リング
IUDの一種で、子宮内にセットしておくリングのことです。入れっぱなしでも痛みや違和感もなく、年1回交換すればよいとされています。
最近の避妊リングは、挿入の際、細長い形に変形するので簡単に出し入れができ、また、短い糸が付いていて装着の確認ができるなど、多くの利点があるため現在ではこのタイプのものが広く使われています。しかし100人に1人くらいは妊娠する可能性もあるようです。
少し前までは、使用に際してかなりの痛みを伴うため、麻酔をかけて子宮の入り口を拡げる必要がありました。
■殺精子剤(サスセッサリー)
精子を殺す薬が錠剤やゼリー、フィルム状になったものを膣内に挿入する方法です。
薬局で市販されていて使い方も簡単ですが、それぞれの特徴をよく理解して使用することが大切です。
■基礎体温法
朝、目がさめてから、床の中ですぐに測った体温を基礎体温といいます。
女性の基礎体温は、排卵があると高くなり月経が始まると低くなります。この周期を利用して、排卵の時期を確認し、避妊に役立てる方法ですが、基礎体温には個人差もあり、体調を崩したり生活が不規則になると測ることができません。
避妊の必要な時期を知るための目安にはなりますが、単独での避妊法とはいえません。
■オギノ式
荻野博士の「排卵は次の月経前12〜16日の間に起こる」という学説をもとに排卵日を想定し、これに精子が受精能力を持っている3日間を加えて妊娠可能期間を想定するものです。すなわち精子の生存期間を3日として、次回の月経前12〜19日の8日間が妊娠可能の危険期間、その他の日は安全日と考える方法です。
しかしそれでは失敗は多いので、前後各2日を加えた月経前10〜21日の12日間を危険期間とします。少なくとも過去6ケ月間の月経周期日数の記録をもとにして、その最長と最短期間から計算する必要があり、また月経周期が不順な人、産後、また授乳期には利用できません。
月経の前後1週間なら大丈夫といった思いこみは失敗のもとになります。
基礎体温法と同じく、避妊の必要な時期を知るための目安として用いたい方法で、単独の避妊方法には適していません。
■膣外射精法
射精の一瞬前に男性性器を膣外に出して射精する方法。
既に精液が膣内に漏れている場合があるのであまりおすすめできません。
■不妊手術
不妊手術とは、手術によって卵管あるいは精管の通路をふさぎ、それによって妊娠を防ぐ方法です。
女性の場合は卵管結さつ術が用いられます。これは卵管の真ん中を糸で結ぶ方法です。
男性の場合は、精管切除、通称パイプカット。精管を途中で数ミリ切除し、その切り口を別々に結びます。
女性の場合も男性の場合も手術に要する時間は10〜15分程度で、簡単な手術です。
避妊の効果は、例外を除いて100%といえますが、将来また子供が欲しくなった場合には、元にもどすのはそう簡単ではありません。
当院ではこの不妊手術も行っていますが、子供さんが3人以上おられる方、あるいは35歳以上の方に限らせていただいています。というのは、前述の通り手術は簡単なものですが、また元にもどすということが非常に困難だからです。
子供は、元気に生まれたからといって全員が元気に育つとは限りません。仮に3人ぐらいいれば、一人が欠けてしまってもあと2人は残ります。
また、35歳以上というのは、妊娠・出産はもとよりその後の子育てのことも考慮すると、それができない場合もあるからです。
そういった理由からこの手術は条件付きで行っています。