更年期に多い病気と更年期障害の治療

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■不正出血

月経とは関係のない性器出血を不正出血といい、最も多い原因は、ホルモンバランスの崩れから起こる「機能性出血」といわれるものです。これに対して、病気が原因で起こるものは「器質性出血」といい、子宮筋腫、頸管ポリープ、子宮ガン、卵巣ガン、びらんなどが考えられます。40代の女性の中で一番心配なのはやはり子宮ガンによるものです。定期的に子宮ガンの検診を受けていない人は、不正出血があったらすぐに医師に相談してください。


■子宮がん

子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんとがあります。子宮の入り口にできるがんのことを子宮頸がんといい、発生年齢は45〜50歳がピークです。子宮体がんは体部にできるがんのことで、発生年齢のピークは50〜55歳です。ちょうど更年期にあたります。子宮がんは、この40〜50代女性のがんによる死亡率を高くしています。
従って更年期は、最もがんに注意すべき時期といえるでしょう。早期発見のためにも定期検診は欠かせません。


■膣炎

膣には本来、自力で清潔な状態を保とうとする自浄作用があるのですが、更年期になるとこの作用が低下してきます。ホルモン分泌が変化するからです。このため細菌が膣内に侵入しやすくなり、カンジダ膣炎、トリコモナス膣炎、細菌性膣炎などが発症しやすくなります。
また、膣粘膜が薄くなるため膣や外陰部が萎縮し、セックス時に痛みを伴う老人性膣炎にもなりがちです。かゆみやおりものの変化、セックス時に痛みがあるときは婦人科医に相談してください。


■性器脱

閉経によるホルモン分泌の変化で子宮が萎縮し、支えである靱帯も弛緩してきます。この状態でつよくいきむなどの腹圧をかけると性器が下がってくるのです。
膀胱や直腸も一緒に下がってしまうため、異物感を感じたり、排尿・排便が困難だったりします。
治療としてはペッサリーを挿入し、性器が下がるのを押さえる方法が一般的ですが、施術の必要がある場合もあります。ホルモン補充両方や筋力強化による予防がまずは大切です。


■乳がん

乳がんも40代の女性には多くみられる病気です。しかしほとんどの場合、しこりとして見つかり早期発見であれば確実に治療できますから、自己チェックの習慣をぜひともつけておきましょう。
【チェックのしかた】
まず乳房の形をみましょう。鏡の前に立って、くぼみや変形がないかをチェックし、両腕を上げて乳房のひきつれを観察します。次に乳房に触れてしこりがないか探します。起きあがった姿勢、仰向けで脇の下を伸ばした状態の両方を調べましょう。さらに両方の乳首をつまんで分泌物がないか確認します。
自己チェックの詳細は、医師にきくか、市町村の健康センターや保健所などの自己検診講習を受けるのもよいでしょう。


■骨粗鬆症

近年よく耳にするようになった骨粗鬆症も更年期の女性には気をつけたい病気のひとつです。
骨粗鬆症は骨が軽石のようなスの入った状態になってしまう病気のことで、これが進むと腰痛、肩こり、背中の痛みなどが出て骨折もしやすくなります。
特に50歳以後の女性の骨折が目立っています。
骨粗鬆症を防ぐには、早めに骨量の測定を受けて状態を認識し、結果に基づいて自分にあった予防に取り組むことが大切です。(当院では骨粗鬆症の検査を行っています。簡単な検査ですので是非受けて下さい。)


■ホルモン補充療法

主な治療法としてホルモン補充療法があり、これは減少したエストロゲンを補うことで症状を軽くしようというものです。顔のほてりや肩こり、発汗、関節痛などの症状の方には、エストロゲンを補充する注射や経口薬の投与が行われています。このエストロゲン補充療法は、更年期障害の治療ばかりでなく、骨粗鬆症や動脈硬化の予防にもつながるというメリットもあるのです。
ただし、更年期障害の症状には個人差があるため、補充するホルモンの量や期間も人によってさまざまです。少量のホルモン剤を必要に応じて投与する場合は、副作用、発がん性の心配はさほどありませんが、長期にわたってエストロゲンだけを大量に使用した場合には、乳がんや子宮内膜がんなどの発生や不正出血にもつながりかねません。
ホルモン補充療法を受けるにあたっては、医師の説明をじゅうぶんに受けることと、ガン検診を定期的に受けながら服用することをおすすめします。
また、心因性更年期障害の場合には、婦人科だけでなく精神科の診断も受けた方がよいこともあります。イライラや不安、憂鬱などの精神神経症状に応じて抗不安薬、抗うつ剤などの精神安定剤が使用されます。また、カウンセリング・セラピーや自律訓練法などを用いられることもあります。


■漢方療法

更年期障害は漢方医学の世界では「血の道症」と呼ばれ、その治療には長い歴史があります。
特に西洋医学では扱いにくい不定愁訴症候群(憂鬱、めまいなど自覚症状はあるのに何の病気が原因なのか特定できないもの)に効き目があることが多い治療法です。漢方薬は、副作用の心配も極めて少なく、徐々に症状を改善していくのが特徴で、どんな漢方薬を服用するかは、医師が患者の体質を見極めた上で処方します。
中には体質的に漢方薬があわず、あまり効果がなかったり副作用的なものを感じる人もあります。その場合は率直に医師に申し出て、別の処方にしてもらいましょう。
最近では、漢方エキス剤を中心に、漢方薬にも医療保険が適応される例が増えてきています。(当院では漢方療法を積極的に取り入れています。)


■運動療法

これは運動をすることで更年期障害を予防、治療するという方法です。
毎日規則正しく身体を動かすことで、骨粗鬆症や肥満、成人病などの予防にもつながりますので一挙両得です。
ただ、運動を始める前に運動をしてもよいかどうか医師の診断を受けましょう。
というのは、更年期の女性は健康そうに見えても重大な疾患を抱えている人も少なくないからです。また、そういった疾患がなくても、筋肉の柔軟性が低下し、身体が硬くなっている人がいきなり無理な運動をするのはよくありません。必ずストレッチングなどで筋肉をほぐしてからにしましょう。

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